この記事は、2021年11月に執筆されたものです。
2022年10月1日施行の改正育児・介護休業法により、変更となっている部分がありますので、あらかじめご了承ください。改正による変更点は追って更新します。
そもそも、育児休業中の就労は、育児・介護休業の制度上、想定されていない。
育児・介護休業法で、『育児休業』とは、
『子の養育を行うために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる制度』であり、
育児休業期間中、つまり、「働かなくてもいいですか?→いいですよ」と言っているのに、就労する(=働きたい)という正反対のことを言っているということになる。
と言っても、働かないといけないときが、ありますよね。
労働者側の都合により、「働かないといけない」ではなく、
業務を遂行するうえで、どうしても出てきてもらいたいとき、です。
そんなときに、一定の要件を設けて、就労できるようにルールが作られています。
一定の要件とは、
- 労使の話し合いにより、
- 子の養育をする必要がない期間に限り、
- 一時的・臨時的に、
その事業主の下で就労することはできます。
さらに,就労が月10日以下であれば、育児休業給付金が支給される。
※月10日を超える場合は、80時間以下であること。
※恒常的・定期的に就労している場合は、育児休業をしていることにはならない。
育児休業給付についてはコチラ。
具体的には…
厚生労働省の例示(これら以外でも一時的・臨時的就労に該当する場合がある)
① 育児休業開始当初は、労働者Aは育児休業期間中に出勤することを予定していなかったが、自社製品の需要が予期せず増大し、一定の習熟が必要な作業の業務量が急激に増加したため、スキル習得のための数日間の研修を行う講師業務を事業主が依頼し、Aが合意した場合。
② 労働者Bの育児休業期間中に、限られた少数の社員にしか情報が共有されていない気密性の高い事項に関わるトラブルが発生したため、当該事項の詳細や経緯を知っているBに、一時的なトラブル対応を事業主が依頼し、Bが合意した場合。
③ 労働者Cの育児休業期間中に、トラブルにより会社の基幹システムが停止し、早急に復旧させる必要があるため、経験豊富なシステムエンジニアであるCに対して、修復作業を事業主が依頼し、Cが合意した場合。
④ 災害が発生したため、災害の初動対応に経験豊富な労働者Dに、臨時的な災害の初動対応業務を事業主が依頼し、Dが合意した場合。
⑤ 労働者Eは育児休業の開始当初は全日を休業していたが、一定期間の療養が必要な感染症がまん延したことにより生じた従業員の大幅な欠員状態が短期的に発生し、一時的にEが得意とする業務を遂行できる物がいなくなったため、テレワークによる一時的な就労を事業主が依頼し、Eが合意した場合。
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1st Upload 2020.08.30 No.5175
#育児休業時の就労