社会保障審議会でかかりつけ医機能が発揮される制度整備について議論されています。
日本医師会総合政策研究機構から2022(令和3)年10月に発表された「第7回 日本の医療に関する意識調査」によると,「かかりつけ医がいる」と答えた人は全体の55.2%で,およそ半数の人が「かかりつけ医がいる」としています。
そもそも,「かかりつけ医」とは何でしょうか?
一般的には「何か体に不調があれば身近で診てもらえる医療機関」という認識が強いのではないでしょうか?
ただ,実際にそういった身近な医療機関と「かかりつけ医」の確認をとっているわけでもなく,「かかりつけ医である」と「かかりつけ医でない」を明確に区分できるものはありません。
健康な方が過去一回だけ受診した医療機関が「かかりつけ医」ということも十分にあり得ます。
さすがに一度も受診したことのない医療機関に対し「かかりつけ医」というのは,難しいと思えるかもしれませんが,病気と無縁の方で「何かあったらこの医療機関に診てもらおう」と思っていれば「かかりつけ医」になり得るかもしれません。
日本の医療に関する意識調査2022年臨時中間調査(日本医師会総合政策研究機構 2022/06発表)によれば,さらに,かかりつけ医に期待する役割や機能として求めるものとして,
「どんな病気でもまずは診療できる:66.6%」「専門医または専門医療機関への紹介:64.5%」「健康管理のための助言や継続的な指導:57.9%」など,どんな病気でも診療(相談)でき、専門医に紹介してくれると同時に健康管理を行ってくれる機能が求められています。
このことから「かかりつけ医」とは,上記の機能を有した医療機関と考えるのが一般的な「かかりつけ医」の認識といえそうです。
2022(令和4)年12月5日に開かれた,第94回社会保障審議会医療部会の資料によると,
「かかりつけ医機能とは,身近な地域における日常的な医療の提供や健康管理に関する相談等を行う機能」と定義されています。
そして,現状のコロナ禍における医療機関の機能分化と連携をはかっていくうえで,「かかりつけ医」機能についての制度のあり方について,社会保障審議会医療部会で議論がすすめられている。
上記,第94回社会保障審議会医療部会において,かかりつけ医機能が発揮される制度整備について,今後は,次の側面からすすめていく方向性となっています。
・医療機能情報提供制度の拡充
かかりつけ医機能に関する情報提供:どのような情報を提供していくのか
・かかりつけ医機能報告制度の創設による機能の充実・強化
地域における機能の充足状況の確認,不足する機能を強化する具体的方策を検討・公表
◆第7回 日本の医療に関する意識調査(日本医師会総合政策研究機構HP)【別ウィンドウが開きます】
https://www.jmari.med.or.jp/result/working/post-246/
◆日本の医療に関する意識調査2022年臨時中間調査(日本医師会総合政策研究機構HP)【別ウィンドウが開きます】
https://www.jmari.med.or.jp/result/working/post-3434/
◆第94回社会保障審議会医療部会「かかりつけ医機能が発揮される制度整備について」(厚生労働省HP)【別ウィンドウが開きます】
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001020035.pdf
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1st Upload 2023.01.06 No.6034
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