最低賃金の確認 2026年度版 – よくある質問と答え


医療関係者・元年金相談員のいる社労士事務所◆オフィス・スマート

2026年度の最低賃金が順次発効しています。最低賃金の確認について、よくある質問の形で5つの問いを取り上げます。架空の会社の担当者が相談室を訪れた場面を、会話で紹介します(実際の相談内容ではありません)。会社は従業員100名の事務用品の卸売業です。本社は大阪府、支店は京都府・東京都・北海道・宮城県・愛知県・福岡県にあります。各支店には、支店長と従業員がいます。根拠は、最低賃金法と厚生労働省などの公的資料です。話の区切りに、詳しい解説記事への案内を付けました。

2026年度の最低賃金は順次発効

相談者
相談者

最低賃金が上がると聞きました。新しい額は、いつからですか?

社労士
社労士

2026年度の改定額は、2026年10月1日から順次発効しています。最後の発効日は、12月2日の予定です。発効日は、都道府県ごとに定められています。

社労士
社労士

厚生労働省の答申状況の資料には、発効日に関する注記があります。答申公示後の異議の申出の状況等により、発効日が変わる可能性があるという内容です。発効日より前は、改定前の最低賃金額です。

詳しくは、解説記事の「2026年10月1日から12月2日にかけて順次発効(予定)」をご覧ください。

相談者
相談者

本社は大阪府、支店は6つの都道府県にあります。それぞれの最低賃金はいくらですか?

社労士
社労士

最低賃金の確認には、厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」を使います。7都道府県の分を、次の表にまとめました。

区分都道府県最低賃金額(時間額)発効日
本社大阪府1,231円2026年10月1日
支店京都府1,180円2026年11月16日
支店東京都1,280円2026年10月1日
支店北海道1,131円2026年10月1日
支店宮城県1,098円2026年10月1日
支店愛知県1,195円2026年10月1日
支店福岡県1,114円2026年10月4日

金額は、厚生労働省の地域別最低賃金の全国一覧に掲載された答申額です(参照日:2026年10月8日)。発効日は、異議の申出の状況等により変わる可能性があります。

社労士
社労士

ほかの道府県の額も、同じ全国一覧で確認できます。給与計算の前には、最新の掲載を確認することをおすすめします。

全国一覧の見方は、解説記事の「都道府県別の金額は厚生労働省の全国一覧で確認する」をご覧ください。

最低賃金の確認:支店の額と月給の比べ方

相談者
相談者

給与は本社でまとめて計算しています。支店の社員には、どの額を使いますか?

社労士
社労士

地域別最低賃金は、都道府県内の事業場で働くすべての労働者に適用されます(厚生労働省)。最低賃金の確認で見るのは、事業場がある都道府県の額と、その発効日です。

社労士
社労士

なお、業種によっては特定最低賃金もあります。地域別と特定の両方が適用される場合は、高い方の額以上の賃金が必要です(最低賃金法第6条第1項)。

相談者
相談者

月給制の社員は、どう比べるんですか?

社労士
社労士

算入しない賃金を除いてから、時間額に換算して比べます。月給制は、月給÷1か月平均所定労働時間で時間額を出します。

社労士
社労士

ここからは大阪府の場合です。大阪府の最低賃金額1,231円(2026年10月1日発効)と比べます。賃金の内訳は架空の数値です。

社労士
社労士

基本給176,000円、職務手当20,000円、通勤手当10,000円、家族手当5,000円、時間外割増賃金15,000円、1か月平均所定労働時間160時間の社員で考えます。

社労士
社労士

このうち通勤手当・家族手当・時間外割増賃金は算入しないので、対象は196,000円です。160時間で割ると1,225円で、大阪府の1,231円を下回ります。

社労士
社労士

支給総額226,000円のまま割ると1,412.5円で、最低賃金額以上に見えてしまいます。

※賃金の内訳と労働時間は、説明用の架空の例です。

詳しくは、解説記事の「最低賃金改定後の賃金を確認する方法」をご覧ください。

時給を上げるときの社会保険の2つの基準

相談者
相談者

最低賃金にあわせてパートの時給を上げます。家族の扶養から外れないか心配です。

社労士
社労士

最低賃金の確認にあわせて時給を見直すときは、社会保険の2つの基準を区別します。本人が自社で加入するかの基準と、家族の扶養に入れるかの基準で、両者は別の制度です。違いは図2のとおりです。

(図2)

最低賃金の確認とあわせて見る社会保険の2つの基準。自社で加入する基準(賃金要件は2026年10月1日撤廃)と、家族の健康保険の被扶養者の基準(年間収入130万円未満など)は別の制度(投稿記事の図2のaltの先頭を、FKを含む語に替えた。内容は同じ)
社労士
社労士

自社で加入する基準のうち、賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)は、2026年10月1日に撤廃されました。週の所定労働時間20時間以上などの要件は残ります。

社労士
社労士

家族の健康保険の被扶養者になれるかは、年間収入130万円未満(原則)などの基準で判断されます。最終的に判断するのは、家族が加入している健康保険の保険者などです。

社労士
社労士

事業主は、労働条件通知書などの判定材料を提供する立場です。改定後の労働条件通知書などには、時給・所定労働時間・日数・手当の金額を明記します。税の扱いは税理士へご相談ください。

詳しくは、解説記事の「最低賃金改定と社会保険の『年収の壁』」をご覧ください。

最低賃金の確認では、事業場がある都道府県の額と発効日を、全国一覧で確かめます。そのうえで、算入しない賃金を除いた時間額と比べます。発効日は変わる可能性があるため、最新の掲載もあわせて確認してください。

当事務所では、最低賃金の改定にあわせた賃金の点検や、労働条件通知書の見直しについて、ご相談をお受けしています。判断が分かれる点は、お問い合わせください。

お問い合わせページはこちら

本記事は、2026年10月7日時点の公的資料にもとづいています。Q2の表、Q3・Q4の一部は、2026年10月8日に参照した厚生労働省の資料によります。

参考(公的機関の資料)

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1st Upload 2026.10.13 No.7410b

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