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◆問合せ事例(労働)直行直帰の移動時間が「労働時間」にあたるのはどんなとき?

お問合せの内容

直行直帰の移動時間が「労働時間」にあたるケースがあると聞いたのですが,どんな場合が「労働時間」になるのでしょうか?

直行直帰・出張に伴う移動時間は,基本的には「労働時間」にあたらないとされています。ただし,事情によっては「労働時間にあたる」とされる場合があります。どういう場合が「労働時間」にあたるのか?

■「労働時間」とは?

最高裁の判例で,以下の通りとされています。
「労働時間」とは,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい,労働時間に該当するかどうかは労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものかどうか,客観的に定まる

つまり,
・労働契約,就業規則,労働協約等の定めによるものではない
・使用者の明示や黙示の指示によって労働者が業務に従事していたと評価できるかで判断
(三菱重工長崎造船所事件 最高裁第一小法廷 平12.3.9判決)

ポイントは,
直行直帰・出張に伴う移動時間について,移動中に業務の指示を受けず
業務に従事することもなく移動手段の指示も受けず自由な利用が保障されているような場合には,労働時間に該当しない。

■直行直帰・出張に伴う移動時間が「労働時間とならない」と考えられるケース

■直行直帰・出張に伴う移動時間が「労働時間となる」と考えられるケース

■微妙なケース

みなし労働時間制(=事業場外労働のみなし労働時間制)

事業場外の勤務等で労働時間が算定し難い場合に,移動時間も含めて「所定労働時間労働したものとみなす」こととするもの。

お問合せの回答

基本的に「直行直帰の移動時間」は,使用者の指揮命令下に置かれていないことから,「通勤時間」「休憩時間」と同義に考えられ,「労働時間ではない」されています。
しかし,「移動中に打ち合わせを行う」「メールのチェックを行う」「事業所にいったん立ち寄る」など,移動中の行為によっては「労働時間」該当する場合があります。「労働時間」か否かは,客観的視点からその労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものかどうかで判定されます。

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■労災保険の扱いは?

なお,これまでのところで「移動時間は労働時間にあたらない」としていますが,労働者が移動時間中に労働災害があった場合,移動時間は「労働時間」ではありませんが,労働者保護の観点から労災保険の給付がなされる場合があります(労災保険の支給決定については,労働基準監督署が申請内容を見て支給の可否を判断します)。

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社会保険労務士(社労士:シャロウシ)は,労働・社会保険に関する法律の専門家であり,国家資格者です。人を大切にする企業づくりの支援をしています!

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1st Upload 2022.09.16 No.5922

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