『年金』といえば、高齢になってから受けることができる『老齢年金』を思い浮かべる方が多いですが、『老齢年金』ってどんなもの?
老齢年金の種類は、2つ。
■老齢基礎年金
・国民年金や厚生年金保険に加入して、保険料を納付した人が受け取れるもの
・年金額は、加入期間に応じて計算される
■老齢厚生年金
・老齢基礎年金に上乗せして受給することができる
・会社等に勤務し、厚生年金保険に加入して、保険料を納付した人が受け取れるもの
・年金額は、会社から貰う給与や賞与の額、加入期間に応じて計算される
■老齢基礎年金
受給資格期間が10年以上あれば、65歳から受け取ることができる
受給資格期間=保険料納付済期間+保険料免除期間など
20~60歳までの全期間(40年間)保険料納付 ⇒ 65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができる。
※保険料未納期間は、年金額の対象期間にならない。
※保険料全額免除された場合は、年金額は1/2(H21/03までは1/3)
■老齢厚生年金
・厚生年金の被保険者期間がある
・老齢基礎年金を受けるのに必要な受給資格期間を満たしていること
上記2つとも満たし、65歳以上になったとき※に老齢基礎年金に上乗せして受給することが可能
※当分の間は、60歳以上で下記の条件により受給資格を満たしている方は、65歳になるまで特別支給の老齢厚生年金を受給できます。
・老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たしていること
・厚生年金の被保険者期間が1年以上あること
いろいろヤヤコシイです。
年金は、長期的な制度なため、制度の見直しを行おうとすると、不利益になる対象者が見込まれる場合もあり、それを回避するために細かいルールを設けていることから、ヤヤコシくなっているものと考えられます。
保険料納付済期間とは
カンタンにいうと、国民年金保険料を支払った期間のこと。
ちょっとヤヤコシイのは、厚生年金保険や共済組合等に加入した期間も含まれる。また、左記に加入している人のパートナー(配偶者)になっていた期間も含まれる。
保険料免除期間とは
国民年金の第1号被保険者期間としての加入期間のうち、保険料を納めることを免除された期間。
国民年金の第1号被保険者とは
カンタンにいうと、『日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方で、第2号被保険者、第3号被保険者でない人』
第2号被保険者、第3号被保険者とは
だんだん話が、広がってきましたが、いろんな要素を理解しておかないと、分かりにくいのが、ヤヤコシイところかもしれません。
第2号被保険者:国民年金の加入者のうち、民間会社員や公務員など厚生年金保険、共済の加入者のこと。
第3号被保険者:国民年金の加入者のうち、厚生年金保険、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(自身が第2号被保険者でないこと)。
いったんここまでにしておきます。被保険者の種類について、その他のことは、また別の機会に。
もらえる金額、もらうための条件は、次のUPで。
『受給開始年齢』・・・もらえるのはいつから?
■老齢基礎年金:原則65歳から
※60歳からの年金繰り上げ受給(減額あり)、66~70歳の年金繰り下げ受給(増額あり)
※繰り上げ受給を選択すると65歳以降もずっと減額され続けます。
※繰り下げ受給を選択した場合で、受給開始までに万一死亡した場合は、1円ももらえません。
※繰り下げしても『加給年金』や『振替加算』など、増えない部分がある。
※その他繰り上げ、繰り下げも、かなり細かいルールがあります。※印がたくさん並んできたので、ここではこのぐらいにしておきます。
より詳しく具体的に知りたい方は、お近くの社会保険労務士か、年金相談窓口にお尋ねください。
このサイトでも、今後、ページを作っていきたいと思っています。
もらえる金額の「目安」、基本ルール
上でも、そのまた上でも書きましたが、老齢年金は長期的な制度であるため、ルールがとてもヤヤコシくなっています。
細かいところまで説明すると、ボリュームも大きくなり、内容も複雑で分かりにくくなりますので、
ここでは、基本的なルールのみをあげていきます。
よって、老齢年金本体のみの表示にとどめ、付加的に受給できるものは省いています。
より詳しく具体的に知りたい方は、お近くの社会保険労務士か、年金相談窓口にお尋ねください。
このサイトでも、今後、ページを作っていきたいと思っています。
■老齢基礎年金の計算方法
◎物価の変動に合わせて、満額(加入可能年数の全期間保険料を納めた場合)の金額が、毎年変わります。
➡令和3年4月からの金額:780,900円(満額)
※加入可能年数は、生年月日によって変わります。
・1941(昭和16)年4月2日以降に生まれた方:40年
・1941(昭和16)年4月1日以前に生まれた方:25~39年
◎満額に満たない方について
ザックリいうと、上記満額780,900円 × 保険料を納付した割合
『保険料を納付した割合』とは、このサイトで説明用に作った言い方です。
以下の①~⑤の合計を加入可能年数×12で割ったものです。
①免除なしの期間 [保険料納付月数] × 1
②全額免除の期間 [全額免除月数] × 4分の8(平成21年3月分までは6分の2で計算)
③4分の3免除の期間 [4分の1納付月数] × 5分の8(平成21年3月分までは6分の3で計算)
④半額免除の期間 [半額納付月数] × 6分の8(平成21年3月分までは6分の4で計算)
⑤4分の1免除の期間 [4分の3納付月数] × 7分の8(平成21年3月分までは6分の5で計算)
たとえば、昭和35年4月2日生まれの方で、①~⑤の合計が360とすると、
加入可能年数は、40年なので、×12で、480、
『保険料を納付した割合』は、360÷480で、0.75です。
年金額は、780,900円×0.75 で、585,675円になります。
■老齢厚生年金の計算方法(令和3年4月から)
老齢厚生年金は、老齢基礎年金よりもさらにフクザツです。基本的なところの説明にとどめておきます。
ココも本体部分のみの説明とし、『加給年金額』『経過的加算額』は省略します。
ザックリいうと、平均給与 × 一定乗率 × 加入期間
もう少し、細かいところだと、
◎65歳未満の年金額=定額部分+報酬比例部分
定額部分について
1,628円 × 生年月日に応じた率(1.000~1.099(令和3年度)) × 被保険者期間の月数
報酬比例部分について
下記、A+Bの額
A=平均標準報酬月額 × 生年月日に応じた率(9.5~7.125/1000)
× 平成15年3月までの加入月数
B=平均標準報酬額 × 生年月日に応じた率(7.31~5.481/1000)
× 平成15年4月以降の加入月数
◎65歳以上の年金額=報酬比例年金額
報酬比例年金額について
下記、A+Bの額
A=平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 平成15年3月までの加入月数
B=平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以降の加入月数
このぐらいにとどめておきます。
より詳しく具体的に知りたい方は、お近くの社会保険労務士か、年金相談窓口にお尋ねください。
すっかりヤヤコシくなってきました。他にもありますが、基本的なところとして、このあたりまでにしておきたいと思います。
Upload 2021.09.18
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社会保険労務士(社労士:シャロウシ)は,労働・社会保険に関する法律の専門家,国家資格者です。
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1st Upload 2020.09.18 No.5559
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